ブログでゲーム紹介する際の法的な注意事項

レトロゲーム

レトロゲームをブログで紹介する際に知っておきたいポイントを「法律上の大枠 → 要素別 → 媒体別 → 収益化の有無 → 引用の実務 → その他リスク」の順に整理しました。日本法(著作権法・商標法)と主要メーカーの公開ガイドラインを中心にまとめましたが、実際に何か判断する際は最新の一次情報を確認ください。

法律とガイドラインの大枠

項目主な根拠・特徴実務上のポイント
著作権法著作物(ゲーム画像・動画・BGM・ロゴ等)を無断で「複製・公衆送信」すると原則侵害。例外として**引用(32条)**があるが要件が厳格。引用は「必要最小限で主従関係が明確」「出所表示」「改変しない」が必須。
商標法タイトル・メーカー名・ロゴは商標の場合が多い。商標を商品やサービス表示として使うと侵害の可能性。記事中で名称を説明的に書くのはほぼ問題ないが、ロゴ画像などを装飾的に掲載する際は要注意。
会社別ガイドライン任天堂・スクエニ・カプコンなどは配信/画像利用ガイドラインを公開し、遵守を条件に一定の利用を許可。タイトル別に禁止区間(エンディング、特定ムービー等)や収益化条件が異なる。必ずパブリッシャーの該当ページを確認。
音楽著作権管理BGMは作曲者・音楽出版社に帰属。JASRAC/NexToneが管理する場合は配信サイト側の包括契約か個別許諾が必要。 YouTube などは包括契約があるが、収益化設定や第三者提供曲に注意。

掲載要素ごとの取扱い注意点

要素許容されやすい方法注意点・禁忌
ゲーム名・メーカー名テキストで事実を表す程度なら問題なし。タイトルを自社商品名として二次販売するなどは商標侵害リスク。
ロゴ・パッケージ画像メーカー配布の「プレスキット」素材を利用し、コピーライト・トレードマークを表記。無断トレース・改変・装飾利用は商標+著作権侵害となりやすい。
スクリーンショット自分で正規ソフトから撮影し、記事本文の説明に従属させる引用形式。サムネイルや装飾目的の大量掲載/高解像度一括配布は不可。任天堂は静止画OKだが、非公認の広告・アフィリエイトは認められていない。
プレイ動画各社ガイドラインで許可された範囲(序盤のみ・実況必須等)+自分の実況・解説を加える。カットシーンのみ抽出、BGMだけ流す「垂れ流し」配信は多くの会社が禁止。スクエニは発売後数週間ネタバレ禁止区域を指定する場合あり。
BGM・効果音①プラットフォームが包括契約を締結、②公式サントラ購入者向け素材利用許諾がある、③著作権フリー曲へ差替え—のいずれか。別撮り動画の「ゲーム音抜き」で回避する場合は実況の臨場感が損なわれやすい。

媒体別の留意点

媒体主なリスク実務ヒント
ブログ(WordPress 等)静止画・埋め込み動画の公衆送信扱い。サーバーが海外でも日本で閲覧可能なら国内法適用。CDN キャッシュに残る画像も削除義務が生じることがある。
SNS(X等)プラットフォーム規約に従わない投稿は即時削除・アカウント停止のリスク。サムネイル自動生成で無断ロゴが表示されるケースに注意。
動画配信サイト(YouTube/ニコ動 等)ContentID・自動検出でミュート・収益差し押さえが行われる。収益化ONの際は必ずガイドラインが「商用利用可」か確認(例:任天堂はYouTubeパートナープログラム許容)。 (任天堂ホームページ)
ポッドキャスト音声のみだがBGMが載れば音楽著作権の問題が残る。JASRACの非商用ストリーミング手続を要確認。 (JASRAC)

広告・アフィリエイトの有無による違い

区分典型的条件具体例
非収益化(趣味)ガイドラインが最も寛容。実況なしのBGM入り動画でも黙認される場合あり。「プレイ日記ブログ」でAdsenseオフ。アフィリエイトなし。
収益化あり(広告/アフィリエイト)多くのメーカーが**「商用利用」扱い**し、ガイドラインで追加条件(広告プラットフォーム限定、実況必須、ネタバレ制限、禁止区間設定、企業宛収益分配等)を課す。YouTube広告を貼る場合は、任天堂OK。一部インディー✕等メーカー差が大きい。

「引用」の正しい使い方(著作権法32条)

  1. 既に公表された著作物であること(発売前のネタバレ等はご法度)
  2. 主従関係:引用部分が“添え物”で、自らの評論・研究・報道が主
  3. 必要最小限:場面説明に必要な静止画1~2枚程度が目安
  4. 改変禁止:トリミングは最小限、色調変更や合成は不可
  5. 出所表示:「© Nintendo / スクリーンショットはゲームより引用」など明記
  6. 引用部分の明瞭区別:枠線やブロック引用、キャプションで判別可能に

これらを満たしていれば権利者の個別許諾がなくても合法ですが、要件を外れると即侵害扱いになる点に注意してください。ただし、引用の判断基準は曖昧で、常に権利者の判断余地が残る。

追加で押さえておくべきリスクとベストプラクティス

リスク回避策
ネタバレ禁止区間(発売◯日までED不可など)レトロゲームなのでほぼ問題なし。
年齢制限(CERO/Z)年齢制限がない時代のゲームなので問題なし。とはいえ、現代の常識に照らし合わせて不適切な内容は除外。
改造・エミュレータ画面の掲載正規ハード・正規ROM以外の映像はほぼ全社禁止。引用要件を満たしても“公序良俗違反”で削除要請リスク。
海外向け公開北米・EUはフェアユース/DMCA等が別途適用。日本の引用基準より緩いケースでも、国内閲覧があるなら日本法に合わせておく方が安全。

まとめ

  • まずは日本著作権法の「引用要件」を満たすかどうかが出発点
  • 次に、メーカーごとの配信・画像利用ガイドラインを遵守すること。
  • 収益化の有無で適法かどうかが大きく変わるため、広告やアフィリエイトを貼る場合は「商用利用可」の明記を探す。
  • BGMは別権利。動画サイトの包括契約を過信せず、必要なら無音・差し替え・個別許諾を検討する。
  • 正規ハード・正規ROM以外のスクリーンショットは利用しない。
  • ロゴやパッケージ画像は商標・著作権の二重リスク。プレスキット素材の利用か、引用要件のクリアを徹底する。

これらを押さえておけば、レトロゲーム紹介ブログでもリスクコントロールが可能と考えます。ただし、筆者は法律の専門家でないため、本記事を参考に実際にゲーム紹介公する際は必ず一次情報(法令条文・メーカー公式ガイドライン・JASRAC手続)を確認し、自己責任で行ってください。

で、当サイトでの運用は?

各社ごとに著作物利用ガイドラインが異なりますが、いったん任天堂のガイドラインに絞って運用ルールを検討します。

検討の前提

  1. 著作権法32条(引用)
    • 公表済み著作物であれば、
      公正な慣行主従関係必要最小限出所表示 を満たす限り無許諾で利用可。営利・非営利は問わない。
  2. 任天堂「ネットワークサービスにおける任天堂の著作物の利用に関するガイドライン
    • 個人は非営利目的なら自由利用
    • 収益化は任天堂が列挙する“指定システム”(YouTube Partner Program など)で行う投稿に限定。
    • ブログ自体は「動画・静止画共有サイト」の例示に入っておらず、AdSenseやアフィリエイトは指定システムに該当しない。
    • エミュレーターや技術的制限手段を回避するプログラムなどの使い方に関する記事は削除要請のリスクが高い。

ケース判定

観点広告・アフィリエイトなし
(非収益化)
広告・アフィリエイトあり
(収益化)
著作権法32条条件を満たす 1-2 枚のスクショ引用は適法。営利性を問わない条文なので問題なし。同左。広告があっても引用要件を満たせば適法。
任天堂ガイドライン「営利を目的としない」投稿なのでガイドラインもクリア。ガイドライン上は NG リスク(指定システム外の収益化=非許容)。ガイドライン違反の場合、削除要請やアカ停の可能性。
実務リスクほぼゼロ。ただし
– 引用要件を外さないよう枚数・画質・主従関係に注意。
– エミュレーターの利用を明示、推奨する記述は避ける。
法的には引用で抗弁可能でも、任天堂が「ガイドライン違反」と判断すれば削除請求を受ける恐れ。係争コストを考えると事実上リスク大。

要点

  • 非収益化ブログなら、引用要件を守った 1-2 枚のスクリーンショット掲載は 「著作権法上も任天堂ガイドライン上も適法」。
  • 広告・アフィリエイト付きブログの場合は二重構造。
    1. 法的には引用でOK(営利性は問わない)。
    2. 任天堂の規約には抵触する可能性が高く、ガイドライン違反として削除を求められるリスクが残る。
      したがって、収益化記事でスクリーンショットを使うなら (a) ガイドライン準拠の指定プラットフォームへ誘導する(b) 任天堂からの削除要請に応じる準備をしたうえで引用要件を厳格に適用するのが現実的な対応策。

具体的な運用方針

ステップ実施内容
1. 引用要件の徹底– 本文が「主」、画像が「従」
– 枚数はレビュー中の「要点説明」に必然な 1、2 枚だけ
– 画像枠下に © メーカーコピーライト / 出典:ゲームタイトル(発売年) を明示
2. 画像ソース– ブログに掲載する内容、キャプチャは実機、実ROMをソースとする
– ゲームカートリッジはラベルがほぼ見えない低解像度にとどめ、最低限の引用とする
3. ガイドライン適合– 広告・アフィリエイトを外す/YouTubeなど指定プラットフォームへ誘導するのどちらか
– 当面はYouTubeなどの動画配信を考えておらず、広告・アフィリエイトなしで運用
– エミュレーターは例え利用自体が合法であっても個人利用にとどめ、ブログには掲載しない
4. リスク対策– 画像は低解像度サムネイル相当までにとどめる
– ネタバレ画像(エンディングなど)非掲載

本記事は任天堂のガイドラインを前提に検討しています。今後は、紹介する各タイトルのパブリッシャーごとのガイドラインも確認し、その範囲で運用します。

一方で、本コーナーのコンセプトは「エミュレーターでレトロゲームを楽しむこと」でした。それが難しいのは正直つらいところです。広告・アフィリエイトを載せられないのも痛手です。それでも、趣味のレトロゲームを合法的に紹介する目的が達成できるなら、ここは割り切れるかなと思います。(実機で遊ぶ場合、セーブ用バッテリー切れをどうするかが課題…)

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