制作編では、Claude Opus 5.5に、スーパーファミコンの新作推理アドベンチャー『霜踏み』を作ってもらいました。私はシナリオを1行も読まず、犯人を知らないまま遊ぶ、という企画です。
その本人が、ついに実機でクリアしました。今回はそのレビュー編です。この記事でも、犯人とトリックは伏せます。
先に結論を書きます。
- 実機でクリアしました。 録画は2日に分けて、合計約54分。私が最初に選んだ「2〜3時間」の枠よりは、だいぶ短めでした
- 推理アドベンチャーというより、サウンドノベルに近いです。 推理や謎解きの要素がなく、どこでどうフラグが立って話が進んでいるのか、よく分からない部分がありました
- 雰囲気は楽しめました。
- 最初の試みとしては、及第点です。
- 作った側の振り返り(Claude Code):推理の問い6問は、すべて最終章に集中していて、第1章から第5章までは0問。Claude Codeの検査が見ていたのは「詰まないこと」と「実機で動くこと」で、「面白いか」を測るものはありませんでした
- 次は、役割の違うエージェントのチームで、小さなPoCを回してみたい。 ファミコン(ディスクシステム)も検討中です
まず、実機で動いている姿をどうぞ

画面のキャプチャは、実機のAV出力をOBSで録画したものです。画質は良くないことを、先にお断りしておきます。エミュレーターで遊べば画面はきれいですが、実機で遊ぶのがロマンなので(断言
どんなゲームだったか(ネタバレなし)
舞台は、昭和六十三年十一月の山あいの村。主人公の「僕」は、村に来てひと月の駐在さんです。霜の朝、電話で呼び出された先で、言い伝えのとおりに、山から下りてきた裸足の足跡を見ることになります。

コマンドは「いどう・みる・しらべる・きく・みせる・でんわ・かんがえる・メモ・きろく」の9つ。聞き込みで分かったことは手帳にたまっていきます。
BGMの話もしておきます。制作編で、Claude Codeが楽譜のコメントに「ヨナ抜き短音階の演歌ふう」と書いていた曲がある、と紹介しました。その曲が流れるのが、村の酒場です。
正直な感想
推理アドベンチャーというより、サウンドノベル
遊び終えて、まず思ったのはこれでした。推理や謎解きの要素がなく、どこでどうフラグが立ってストーリーが進んでいるのか、よく分からない部分がありました。
ただ、雰囲気は楽しめました。

最初の試みとしては、及第点
AIが一晩で作ったスーファミの新作を、実機で最後まで遊べました。最初の試みとしては、及第点だと思います。
作った側(Claude Code)の振り返り
この感想を伝えると、Claude Codeは、作った側から理由を次のように振り返りました(台本の数字はClaude Codeが数えたものです)。
- 推理の問いは、最終章に6問だけでした。 第1章から第5章までは0問です。5章のあいだ、プレイヤーは調べて聞くだけで、考える場面がありませんでした
- 話の進み方が見えません。 章の中で決められた行動がそろうと、場面が自動で進みます。どの行動が決め手だったのかは、画面に出ません
- ヒントが親切すぎました。 「かんがえる」のヒントは全部で46個あり、次の行き先をほぼそのまま教えます。迷わない代わりに、考える余地もありませんでした
- 最後の問いは、推理より探し物でした。 根拠を、9ページ(約50項目)の手帳から選ぶことになります。録画でも「……いや、違う。」が何度も出ていました
- エンディングのあとの画面が不親切でした。 黒い画面にコマンドだけが残る「おわり」の場面で、何をすればいいのか分かりません
- 検査が見ていたのは「動くこと」でした。 でたらめに300周遊ばせる検査も、実機でしか出ない不具合の見張り役も、確かめていたのは「詰まないこと」と「止まらないこと」です。「面白いか」を測る検査は、一つもありませんでした
- 長さも足りませんでした。 「2〜3時間」という枠に対して、文章は約3万9,000字で、録画は約54分でした

1つのエージェントだと、「動くこと」が先に立つ
制作を1つのエージェントに任せると、どうしてもゲームが上手く動くことにフォーカスして、ゲームの面白さやUI/UXが後回しになるように感じました。Claude Codeの振り返りにある「検査が見ていたのは『動くこと』」も、同じことを指しています。
そこで次は、マルチエージェント的な手法を試してみます。具体的には、Claude Codeのエージェントチーム機能を使って、性格や役割の異なるエージェントが協調してゲームを作る、小さなPoCを回してみたいと考えています。
自分で遊ぶか、一緒に作るか
今回は、自分でプレイするために、私は制作に関与しませんでした。ただ、本当に面白いゲームを作るなら、自分とAIで壁打ちしながら作ったほうが良かったと思います。
もちろん、そうすると自分ではネタバレしてしまいます。自分自身が楽しむためではなく、配布してほかの人に楽しんでもらう目的になります。「作った本人が犯人を知らない」という今回の遊び方とは、両立しません。
実機で遊ぶ「味」
何にしても、古のレトロゲーム実機で、最新のAIが作った新作を遊ぶのは、味があって良かったです。30年以上前の本体に、2026年のAIが作ったカセットを挿して、電源を入れる。これが今回いちばんの贅沢でした(笑
次はファミコン
次は、ファミコンで試してみようと思います。ファミコン用のフラッシュROMのカセットは入手が難しかったり、価格が高かったりするので、手持ちのディスクシステムのRAMアダプターを使うことを検討中です。
人間がやったこと、Claude Codeに任せたこと(レビュー編)
| 人間(私) | Claude Code |
|---|---|
| 実機でのプレイ(録画は2日で約54分)、OBSでの録画、実機の写真 | 録画からの場面選びと切り出し(犯人とトリックに触れる場面は外す)、動画クリップの作成 |
| 感想と意見(サウンドノベルに近い、及第点、マルチエージェントとファミコンの構想) | 作った側としての振り返り(問いとヒントの数、検査が見ていたもの) |
| この記事のレビュー | この記事の下書き |
まとめ
- Claude Opus 5.5が作ったスーファミの新作は、実機で最後まで遊べた。録画は約54分
- ただ、推理アドベンチャーというより、サウンドノベルに近かった。推理の問いは最終章に6問だけで、話の進み方も見えにくい
- 雰囲気は楽しめた。最初の試みとしては及第点
- 1つのエージェントに任せると、「動くこと」が先に立って、面白さやUI/UXが後回しになる。次は、役割の違うエージェントのチームで小さなPoCを回してみたい
- 面白さを突き詰めるなら、人間とAIの壁打ちで作るほうがいい。ただし、そのときは自分ではなく、ほかの人に遊んでもらうためのゲームになる
制作編の最後に、「私の辞書に『素直』の二文字はない。犯人の名前も、まだ載っていない」と書きました。
犯人の名前は、私の辞書に載りました。次は、ファミコンです。

コメント